サンゴによる浄化作用
沖縄の海には浅瀬から沖まで非常に多くのサンゴが生息しています。
そのサンゴ達の体内には「褐虫藻」という光合成する生物が暮らしています。サンゴの排出する窒素や二酸化炭素を褐虫藻が受け取り、褐虫藻の排出する有機物や酸素をサンゴが受け取っているのです。
つまり、サンゴが増えると海水の酸素濃度が高くなり、様々な生物が生活できる環境になります。
しかし、これだけでは植物プランクトンもたくさん増えることで海が濁ってしまいます。実はサンゴのもつ、もう一つの働きによって植物プランクトンを減らします。
サンゴは体内に非常に多様で多くのミネラルをためる生き物で、海の野菜と言われるほどです。すると、サンゴが死んだと同時に大量のミネラルがゆっくりと海水へ放出されます。これが魚やヒトデなどの動物の栄養になり、彼らが植物プランクトンを食べて、海がきれいになるのです。
サンゴの死骸が白い砂浜を作る
サンゴは死ぬと上の写真のように白骨化し、時間がたつと粉々に砕けます。そして、最終的には沖縄県の海岸でよくみられる白い砂浜を作ります。
海中の白い砂は太陽光を反射し、海の持つ本来の青さを際立たせます。この時にどれだけ綺麗な青さを出せるかは砂が真っ白に近いかどうかにかかっています。砂に黄色や黒が混ざるにつれて青色も濁っていき、きれいなエメラルドブルーにはなりません。
(純粋にサンゴの砂だけで構成されている程白に近くなるので、不純物が多い沖縄本島よりも自然とサンゴに囲まれた離島の海のほうが綺麗なエメラルドブルーになります)
では、なぜ沖縄だけこんなに砂が白いのかというと、これもサンゴがあるからです。他の県の土はサンゴではなく火山によって生まれた赤土質だったり、陸上植物の木くずが積もって黒くなったりするので白い砂浜はできません。
よって、サンゴに囲まれた沖縄県だけが綺麗なエレラルドブルーの海を持つことができるのです。
陸からの土砂が少ない
沖縄の海が青い理由に、白以外の色をした砂が少ないという点を説明しましたが、これは陸から流れてくる土砂の影響も受けます。
主に川から流れてくる土砂は植物の死骸によって積もった黒い土や岩石のかけら、さらに不純物が大量に含まれています。これらは白い色をしていないので、これが増えれば増えるほど海の色は汚くなっていきます。
しかし、沖縄本島には国土交通省に指定されているような一級河川という大きな川もありませんし、川の数自体も少ないです。当然、小さな離島には川に流れてくる土砂も限りなく少ない。すると、白い砂浜とエメラルドブルーの青い海が守られるのです。
黒潮の影響
沖縄県の近海には、黒潮という暖かい海流が流れてきます。これは、フィリピンやオセアニア地方などの非常に暖かい場所から沖縄まで流れてくるので、そこにいる熱帯のいきものが沖縄まで流れてきます。
その影響で沢山のいきものが海水の濁りの原因であるプランクトンを食べてくれるのも海が綺麗な理由の1つです。
さらに、黒潮は非常に流れが速いという特徴があります。プランクトンは小さくて海の流れに逆らえないので、流れが速い海では繁殖できません。この沖縄近海は海流が速いという点も理由の一つになります。
沖縄の海は遠浅
沖縄近海は長年のサンゴの死骸が積み重なっているため、非常に浅いのが特徴です。すると、陸から非常に遠くまで白い砂の浅い海が続いています。
先ほど説明した通り、海のエメラルドブルーは白い砂浜であればあるほど綺麗に見えます。しかし、海が深くなっては青色だけが濃くなってしまいには黒く見えてしまいます。
つまり、エメラルドブルーは海が浅いのも条件の一つに入るのです。沖縄の海は白い砂浜で浅いので完璧ですね。